三歳児神話
「三つ子の魂百まで」ということわざや、「3歳までの子育ては母の手で」という3歳神話が近ごろよくいわれます。テレビなどでもよく言われ、働くお母さんを苦しめます。はたして3歳まで仕事をやめなければならないのか、どうか。 現在ある知見を元にお話します。

1 乳児保育(1歳未満保育)が発達や知能に与える影響は認めなかった。

2 完全母子分離は発達に影響がある。

3 乳幼児期が子供の発達において重要であるが、3歳までの環境が
  一生付きまとうわけでない.

4 母親が子育ての主役である。

5 3歳以降母親の役割が低下するわけでない。

以上のことは、ほぼ事実です。
母親が愛情を持って子供に接することは重要ですが、それは3歳という年齢制限があるのではなく、長時間だからよいというわけでもありません。良き養育者が良き母親と伴に子育てしていくことはなんの障害もないように思えます。

ただし、小児科医として注意をしていただくことがあります。

1 集団生活は感染症になりやすいので、予防接種は必ず早めに受けて下さい。

2 1歳未満の病気は特に重症化しますので、無理は厳禁です。
  かかりつけ医の言うことをきっちり聞いて下さい。
    (例えば、入院といわれたら素直にしたがって欲しい)

3 養育環境を整える努力はおしんではならない(行政への働きかけも重要です)