インフルエンザの流行について
和歌山市でインフルエンザが流行してきました。
今年のインフルエンザの状況と対策について、従来の説明に加えてお話いたします。
現在(12月中旬現在)はどうなの
和歌山市では患者数が増加してきました、年齢では比較的低年齢の方が発症しています。
今年のインフルエンザの特徴は
現時点では従来の季節型インフルエンザである、A型香港が流行しています。A型香港はこの数年(5年程度)大きな流行がないため、5歳以下の年齢では免疫が低いとされているうえ、今年度はワクチン接種が遅れていることもあり、流行が大きくならないか、十分な注意が必要です。またA型香港は他の型に比べ、熱が高いことが多く、熱性痙攣や熱に伴う、もうろう状態にもなりやすく、症状にも注意ください。新型インフルエンザ(今年からは2009と呼ばれている)は流行しておらず、A型香港だけの流行となるのか、2009やB型の流行が引き続きでてくるのかはわかりません。
診断は
周辺の流行状況に気をつけてください。学校や園で高熱でお休みになられるかたが多くみられる場合は注意
が必要で、急激な発熱、関節痛、頭痛を認めた場合は検査が必要です。なお外来で行われる検査ではA型か
B型かはわかりますが、2009か香港型かはわかりません。また発熱から半日程度は検査が陽性にでないことがあることはご承知ください。
治療は
型の違いによって治療方針に違いはありません。
自然軽快もしますが、治癒まで5日程度かかります。発熱後48時間以内に治療薬を開始すれば症状を軽くすませることができます。お薬は研究がすすみ、ほとんどの年代(1歳以下や妊婦も含め)で危険性は少ないと言われるようになりましたが、これらの年代で内服する場合は医師に相談してください。
選択できる薬が増え、以下のような薬があります。
タミフルという 飲むお薬 (カプセルまたは粉 1日2回、5日間)
リレンザという 吸い込むお薬(1日2回、5日間)
イナビルという 吸い込むお薬(1日のみ1度に2回から4回吸入、5日間持続)
ラピアクタという注射のお薬 (1回のみ、5日間持続)
どの薬でも効果および副作用にに大きな差はありません。10未満では飲むお薬を、10歳以上では吸入するお薬を、飲むことが困難な場合は注射のお薬、をお勧めしますが、最終的にどの薬を使用するのかはご相談ください。
家で気をつけることは
異常行動:興奮、おびえ、うわごと、徘徊などは薬を内服していなくとも出現することがあります。特に十代
では飛び降りなどの重大な事故が報告されているので、インフルエンザと診断されれば2日間は目を離さないようにしましょう。また異常行動が長引く場合(1時間以上が目安)やけいれんをおこした場合は必ず受診するようにしてください。
食 事:水分を十分にとってください。
入 浴:疲れさせないように、サッパリさせるのはかまいません。
重症化 :発熱が続く場合は合併症の可能性もあるため3日に1回は受診させてください。顔色が悪い、息がゼイゼイし呼吸が早い、嘔吐や下痢が続く、反応が悪いなどの進行する症状がある場合は早期に受診してください。
感染予防:家庭内で流行しないよう本人の手洗い、うがい、マスク(他人にうつさないよう)が重要です。ただし健康な方のマスク装着による予防効果は限定的(あまり効果がない)とされています。
学校、幼稚園、保育所は
熱が下がってから2日間は登校、登園できません。
出席許可書は必要ないところがほとんどですが、学校や園の方針もあり、登校許可書の提出については学校・園で確認してください。
前ページへ
|