注意してほしい感染症
和歌山市で麻疹やロタウイルスが流行してきました。
今回は麻疹(はしか)とロタウイルスについてお話します


典型的なはしか(麻疹)について(予防接種をしていない場合の麻疹)
麻疹ウイルスによる病気です。
1 40度をこえる高熱や咳や鼻水が2ー3日持続しますが、この時期に麻疹と判断することはできません。
2 一旦解熱した後にぶつぶつがでてきて再び発熱し1週間近くも続きます。
3 咳や目やになども多くみられ、体力の消耗が激しく、ぐったりした感じが強くなります。
4 肺炎、中耳炎、脳炎などの合併症が多くみられ、患者さん1万人につき1人程度が死亡するともいわれます。特に、乳幼児や基礎疾患をお持ちの方は重症化します。

感染力は非常に強く、空気感染します(直接看者本人とあわなくても、患者がいた部屋に入っただけでかかることがる)予防接種をしていない方については、ほぼ確実に、予防接種をしている人に対しても移す可能性があり、厳密に感染予防していただく必要があります。残念ながら治療法はありません。

修飾麻疹(予防接種をしている場合のはしか)について
現在和歌山市では予防接種をしているにも関わらず麻疹になっている方が発生しています。このような方は典型的麻疹のような症状がみられず軽症です。
1 予防接種(MRワクチン)の接種をいまだ1回のみしか接種していない4、5歳の方の患者さんが多い
2 発熱は2ー3日のみのことも多く、本人も比較的元気です
3 ぶつぶつも軽度である

本人の状態は比較的良好だがうつす能力はあり、特に予防接種をしていない方への感染には最大限注意が必要で、この場合も厳密に感染予防していただく必要があります。残念ながら治療法はありません。

でるることは
予防接種を早急に
接種可能年令になったな早急にMRワクチン(麻疹風疹混合ワクチン)の予防接種をすることです、1歳のお誕生日、年長(就学前)がくればできるだけ早期に予防接種を受けてください
感染状況に絶えず敏感に
園や学校で何が流行しているのか絶えずチェックしておきましょう、麻疹の場合病初期に麻疹と診断することは症状や検査からはできません。周りの流行状況から検査を早めに実施することが可能になり、流行予防にも大変重要です。

現在和歌山市では感染対策のため麻疹感染が疑わしいと医師が判断した患者様につきましては確定検査(血液など)を実施していただけます。

ロタウイルス感染症について
現在ロタウイルスによるウイルス性胃腸炎が流行しており注意が必要です
特徴は
嘔吐や下痢が強く、便は白色になってきます。他のウイルス性胃腸炎(ノロウイルスなど)より症状は重く、40度近い発熱、脱水、低血糖や痙攣をみることも珍しくはなく、小児科で入院を要する病気の上位に入る病気です。非常に移りやすく園や学校で、また家庭内で集団発生します。おとなにもうつります。
治療法は
水分接種が大切ですが、吐いた後は2ー3時間飲まず食わずでお腹を休めた後、少しずつ開始しましょう。
感染予防法は
手洗いが重要です。便や吐物をあつかった後は必ず手洗いしましょう、予防接種がありますが、4ヵ月以上のお子さんには適応はなく、緊急接種もお勧めしません。

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