おねしょ(夜尿症)について 1
このごろおねしょについての相談を受けることが多くなりました。おねしょは寒い時期に多くなり、また学年が上がる時期になるため心配が増すためと思われます。おねしょ(夜尿症)についてお話させていただきます。

おねしょと夜尿症の違いについて
寝ている間におしっこを漏らしてしまうことを「おねしょ」といいます。5歳くらいまでは誰でもあることですが、6歳以上で続く場合は排尿機能が未熟な場合もあり(つまり病気の可能性があるということ)で夜尿症と呼ばれるようになります。

おねしょのメカニズムは
夜間の尿の量と膀胱(おしっこをためておく場所)の容量のバランスがとれないことによって発生します。つまり膀胱の大きさに比べて夜間の尿量が多い場合や尿量が普通でも膀胱が小さい時(尿をためておけない時)などが「おねしょ」の原因になります。なお、「おねしょ」することとトイレトレーニングとは関係がないとされており、トイレの「しつけ」がうまくいかなかったから夜尿症になるわけではなく、育児の善し悪しとは関係がないとされています。

どれくらいの人がなるの(頻度は?)
生まれたての赤ちゃんは全員が「おねしょ」をしますが、徐々に少なくなって5歳では5人に1人(約20%)の人に「おねしょ」があるといわれています。そこからは毎年10%から15%の人が自然に消失していきますが小学校高学年でも約5%の方に「おねしょ」(=夜尿症)が残ります。しかし、その残った人も大抵の場合、中学生になると消失してしまいます。

遺伝するの?
ご両親が夜尿症だからといって子どもさんが必ず夜尿症になるわけではありません。しかし夜尿症のあったご両親の子どもは夜尿症がなかったご両親から生まれきた子どもに比べ夜尿症になる可能性は高くなります。別の視点からみますとお子様の夜尿症で悩まれている親御さんは依然は自分が夜尿症であった可能性が高いということで、あまり焦らないであげて欲しいのです。

相談が必要ですか?
中学生になるとほとんどの方が治るとはいっても小学生になると本人が気にしだし精神的プレッシャーを感じたり、旅行などの行事に消極的になってきます。ご両親の方でも心配や負担が大きくなってきます。「おねしょ」はすぐには消失せず長期の経過をとるためなおさら不安が強いようです。治療(薬を飲むなど)するかどうかは別として心構えや生活指導などを含めて一度小児科医に相談してみてはいかがでしょうか。また少数ですが、他の病気が隠れている場合もあり簡単な尿検査だけでもしておくほうがよいでしょう。


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