インフルエンザワクチンについて(この頃の話題を中心に
インフルエンザワクチンで御質問の多いものについて、この頃の話題を加えお答えいたします。

インフルエンザの予防接種って有効なの?
インフルエンザの予防接種は有効なのか、とよく聞かれます。ワクチンを接種しているにもかかわらずインフルエンザにかかる人が多いからです。小児科医の間でも議論があり、感染予防効果も十分で脳症も予防できるという意見もある一方、小児には予防効果がない、脳炎などの重症化予防もできない、とおっしゃる医師もおられます。結局現時点では結論はでていないということなのですが、ではどうしたらいいのでしょうか。
私はインフルエンザの専門家ではないので学問的にどちらが正しいのかは判断はできません。しかし、ではワクチン以外に流行を抑え、脳症の発症を抑える可能性がある手立てが現在あるかというと ない のです。お薬も脳症の発症に間に合わないといわれており議論はあるものの効果が認められているものは予防接種しかありません。予防接種をしたから絶対に脳症にならないとは言えないですが、しかし不幸にして脳症になった時に予防接種しとけば、という思いを現時点では私はすると思うのです。もちろん脳症は非常に少ないものですから(一万人に一人程度)最終的には御両親の判断におまかせするしかありません。
日本小児科学会が出している公式見解は「一歳以上ではワクチン接種を推奨することが現段階で適切な方向であると考える」というものです。

今年も必要ですか?(いつまで効果がありますか
インフルエンザワクチンの効き目は平均して5ヵ月間とされています、またインフルエンザウイルスは毎年少しづつ型を変化させていくので今年流行するであろう型を予測してワクチンは製造されています。ですから毎年の接種が必要となります。

アレルギーがあるのですが接種できますか?
インフルエンザワクチンはニワトリの卵の成分を使用して作られるため、極微量の卵の成分がふくまれます、ですから卵に対するアレルギーが非常に強いかたにはお勧めできません、ただし検査上アレルギーがあっても卵を食べている方は可能ですので、アレルギーをお持ちのかたは医師にご相談ください。

ワクチンに種類があるの?
今現在すべてのワクチンにはゼラチンは含まれていませんが防腐剤(チロメサールという)が含まれているものと含まれていないものがあります。防腐剤が小児の発達に影響があると言われた時期もありますが現在は否定されており安全性に問題はありません。現時点では防腐剤の入っていないワクチンの生産量は少なくすべてのワクチンから防腐剤を抜くことはできません。

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