検診あれこれ
入学、入園されたかた、おめでとうございます。また新学年になってがんばっておられるかたも多いでしょう。4月から5月にかけて保育所・幼稚園や学校では検診が始まります。検診で指摘される項目についてお話します。
心雑音・不整脈
内科検診にて指摘されます。心雑音(聴診器で聞かれる心臓からの異音)と不整脈(脈の乱れ)があります。
心臓の病気があるのでは、と保護者のかたを驚かせてしまいますが、これらを指摘されたからといって病気とはかぎりません。つまり、これらの異常は健康でも聞かれることがあるのです。いままで指摘されたことがない、ということもありますが体型の変化やスポーツの度合、その日の体調によっても心音は変化していきます。念のため必ず医療機関を受診して下さい。
肥満
小児の肥満の判断は難しいものがあります。なぜなら成人のように身長が固定していないため身長の伸びを考慮せねばならないからです。学校検診でもどこまで指摘し、どういうふうに指導していくかは学校によっても異なるようです。肥満傾向にある児童・生徒は結構おられるわけですが、多くの保護者のかたは気付かれておられるでしょうし、この頃のメディアの発達によって肥満の悪影響についてもお分かりだと思いますので学校からの指摘はあえてしないことも多いようです。肥満の最大の原因は食生活にあることはいうまでもありません。成人と違うのは子どもの頃の食習慣というのは一生影響を与えるということです。これは、なかなか修正が効きません。(ハンバーガー、牛丼やコーラなどの嗜好が修正でえきなくなることは成人でもよくあることです)つまり保護者のかたにお願いしたいのは食事の大切さをお考えいただきたい、ということです。もし肥満かな、と感じた場合は本人だけでなく家族全体の食生活を見直すよい機会だとお考え下さい。ただし急激に肥満が進む場合は必ず医療機関を受診させて下さい。
扁桃肥大
この項目もよく指摘されます。ただ扁桃が大きいだけでは問題はありません。なぜなら子どもの扁桃は小学校の頃くらいが最も大きく成人にむけて小さくなっていくからです。扁桃肥大が指摘された場合、問題になるのは、熱をくり返す(扁桃腺炎)、いびきが大きい、睡眠時に無呼吸を認める、口呼吸が多いなど症状がでている場合ですのでそういう点があれば必ず受診させて下さい。
尿検査
学校に提出する2回の尿で異常を認めた場合に指摘されます。尿に血液、タンパクおよび糖が混ざることは病気でなくともあることなのですが、時には腎臓の病気や糖尿病が隠れていることがあります。これらの病気は痛みなどの症状が初期にはでないため放置していると進行することがあり注意が必要で指摘された場合は尿検査や血液検査などが行われます。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎というと保護者の方は重症と考えがちですが、一般には慢性の痒い湿疹のことを指します。掻き傷のある湿疹を認めれば指摘することも多いのであまり深刻には考えず、しかしスキンケアの仕方を含め医療機関で相談されてはいかがでしょうか。
姿勢
側弯(背骨がまがっていること)が指摘されることがあります。側弯は軽度であれば姿勢を正すことで治りますが念のため整形外科で診察を受けたほうがいいでしょう。
聴力障害・視力障害
聴力検査では聞こえているように思えても片側の聞こえが悪かったりします。視力検査では指摘されるほとんどが近視です。耳鼻科や眼科の先生に相談しましょう。
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