夏のあれこれ
梅雨もやっと開けました。夏というのは冬についで子どもの病気が多くなる時期です。夏におこる諸問題についてお話します。

夏風邪ってなに?
夏に流行する風邪のことを一般に夏風邪といいますが、いろいろな病気(手足口病、ヘルパンギーナ、プール熱など)が含まれており、様々なウイルスによって引き起こされます。そのためひと夏に一回だけではなく何度もかかることがあります。代表的なものについてお話します。
手足口病
7月下旬現在、和歌山市では広範囲で流行しています。その名のとうり手と足と口にプツプツ(水疱疹)がでる病気です。プツプツは膝やお尻にでることはあってもお腹や顔にはでません。熱はあっても長続きはしません。お薬は口内炎に対して塗り薬、炎症止めやビタミン剤の内服、水分がとれない場合に点滴を行うこともありますが特効薬はなく自然に治っていくのを待つしかありません。幼稚園や保育園の対応は園によって異なりますがプツプツがひどい時には控えるようにしましょう。
ヘルパンギーナ
高熱のうえ、のどの奥に小さな水ぶくれができます。特別な治療法はありませんが、のどの痛みが強く、水分がとれなければ点滴で水分補給を助けます。 最初はぷつぷつがのどの奥だけであったのに舌の前や歯ぐきにでてくることがあります。この場合ヘルペス(紛らわしい名前ですね)というヘルパンギーナと は違う種類の感染症の場合がありますので、口の前にぷつぷつがでてくれば再度受診させてあげて下さい。
プール熱
プール熱(咽頭結膜熱)とは咽頭炎(のどが赤くなる)と結膜炎(白目が赤くなる)が強いものをいいます。
プールを介して流行したことがあるのでプール熱と言われるようになりましたが、現在はプールの水から感染することはむしろ少なく、普通の風邪と同様に唾 液などが咳やくしゃみなどで飛んで感染することが多いとされています。高熱は続きますが(1週間近く続くことも多い)特別な治療法はなく生命を左右するような合併症はほとんどないため熱が下がるまで辛抱強くまちましょう。 のどの痛みが強く水分の摂取が悪くなれば点滴を行うことがあります。 プール熱は症状がなくなってからさらに2日間は出席停止となり、登校・登園には証明書が必要です。

皮膚のトラブル
とびひ(伝染性膿痂疹)
細菌が皮膚を引っ掻くことなどによって傷ができたところに繁殖しておこります、細菌が繁殖しやすいため夏に起こることが多い疾患です。内服の抗生剤と塗る抗生剤を処方します、一旦軽快したようにみえて手をゆるめると再発してくるので注意が必要です。手を介してとんでいくことが多いので手洗いをしっかりし、手を鼻腔にはもっていかない(鼻腔にはとびひの原因菌が沢山います)ようにしてください。
あせも(汗疹)
汗が皮膚のなかにに貯留してしまうためにでてくるブツブツのことをいい、汗の分泌が盛んな夏におこってきます。塗るお薬も処方しますが、重要なことは汗をかいている原因を排除することです、子供は体温が高いため親の感覚では厚着を強制していることもあります、クーラーも必要に応じて使用するようにしましょう。

熱中症に注意
暑い季節になり熱中症の患者さんも受診される様になっています。最も大切なのは予防です。
1 こどもは熱を放散しにくいので大人より一枚薄着にして帽子をかぶせるようにしましょう。
2 寝不足など体調が悪い時は熱中症になりやすいので注意しましょう。
3 絶対に子供を車内に放置しないで下さい。
4 ベビーカーは地面からの照り返しで暑くなるので注意しましょう。
5 高温下の運動の際には運動前に充分な水分を補給し、とナトリウムを補充して下さい。
  飲料はナトリウム(塩)が入っているのでスポーツ飲料が便利です。

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