インフルエンザ
今年は例年に比べ2カ月程度早く、近年の中では最も早い流行となっています。これから年末にかけてますます流行しそうな勢いですので今回は早い流行の対応についてお話します。

今できることは?
1 予防接種を早くしましょう。
インフルエンザの予防接種は接種してから2週間程度たってから効果が出始めます。予防接種したからといって必ず防げるものではありませんが、接種を希望されてる方はできるだけ早く接種を済ませるようにしましょう。
2 流行状況を把握しておきましょう。
インフルエンザから身を守るには流行状況を把握することも大切です。流行状況については学校や幼稚園・保育所でこまめに確かめるようにしましょう。
3 ウイルスを寄せ付けないようにし、体調や環境を整えましょう。
手洗いとうがいを励行し人込みを避けるようにしましょう、マスクも有効です。また睡眠時間を多くし、緑黄色野菜(βカロチン)や果物(ビタミンC)を多く摂取すると感染に対して強くなります。室内を加湿器などを使って適度な湿度に保つこともウイルスの増殖を抑えるには有効です。

インフルエンザにかかったかな、と思ったら
インフルエンザかな、と思った場合、医療機関では検査をすることによって十五分程度で確定診断をすることができます。ただ、熱が出始めてから十二時間から二十四時間程度の時間が立たないと検査は正確ではありません。つまり、インフルエンザに罹っているのに、インフルエンザではないと診断してしまう恐れがあります。もし熱以外の症状が強くないのであれば半日程度待ってから受診していただくほうが検査としては確実です。熱以外の症状(咳や頭痛や嘔吐など)が強い場合は早めの受診がいいでしょう。

治療はどうするの
インフルエンザの治療の主体はタミフルという内服薬ですが因果関係は不明なものの異常行動が指摘されており十歳以上ニ十歳未満の方には原則処方できません。十歳以上二十歳未満の方にはリレンザという吸い込むお薬が処方できますが、異常行動をおこさないという確証は残念ながらありません。インフルエンザは薬を内服しなくても合併症がなければ一週間前後で治るので副作用が心配な方は自然治癒っを待ちましょう。

タミフルは内服しても大丈夫ですか?
タミフルを内服した後に異常行動(自殺を含む)をおこし死亡したという報告があります。しかしタミフルを
内服したから異常行動をおこし死亡したのか、内服していなかったら死亡しなかったのか、いまだにわかっていません。ただ調査してみるとタミフルを飲まなくてもインフルエンザに罹って異常行動をした人が軽い症状の人も含めると1割程度もあるようです。つまりタミフルを飲むにしろ、他のお薬にしろ、また飲まないで様子をみるにしろインフルエンザに罹ると異常行動はありえるので次のようなことに注意して下さい。
1 異常行動での死亡例は鍵があけれるような年令が高い子であるので、例えタミフルを飲んでいなくても
  この年令の行動には注意する。
2 興奮や異常な言動がある場合は内服を中止し医療機関を受診する。

合併症にはどんなものがありますか?
インフルエンザの合併症で恐いものは脳症と呼ばれるもので、異常行動(タミフルを飲まなくてもおこることがある)や幻視、けいれんなどがみられます。保護者が理解できないような言動が続く場合(一時間が一応の
目安)は医療機関に相談してください。また肺炎や中耳炎など他の細菌感染症を合併することもあります。

いつから登園・登校できますか?
熱が下がってもすぐには感染力が衰えないため熱が下がってから丸々2日間は登校・登園はできません。なお、ほとんどの学校・幼稚園・保育所では医師の署名は必要ありません。

インフルエンザに罹ったけど予防接種はどうしたらいいでしょうか。
現在和歌山市で流行しているのはA型ですが、このA型にはもう一つの型があり、またB型というものもあります。ひとつの型のインフルエンザに罹って同一シーズンに他の型にかかる確率は過去の例からいうと多く見積もっても十%程度ですが、予防接種にはすべての型が含まれており接種すれば他の型にかかりにくくする効果はあるでしょう。なお罹ってから接種しても副作用が強くなるということはありません。


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