インフルエンザとタミフルの最近の話題
今年和歌山市では例年に比べ2カ月程度早く十月下旬頃からインフルエンザ感染症が流行しはじめ、一月初旬現在、和歌山市全域で感染を認めています。全国的にも同様に感染が広がっており、近年の中では最も早い流行となっています。流行自体は冬休みをはさんで現在小康状態ですが学校がはじまる今後再び注意が必要です。最近あきらかになったタミフルの調査結果を中心にインフルエンザのお話させていただきます。
タミフルに対する新しい報告があったのですか
タミフルを内服した後に異常行動をおこし死亡した(夢をみたような状態となり2階から飛び降りたり、道に飛び出したりして事故をおこした)という報告があり問題となっていました。今回インフルエンザ患者、約1万人以上にもおよぶ調査が厚生労働省行われ中間報告がありました。この1万人という数は医学的には非常に多い数字であり、最終報告を待つ必要があるものの信頼度の高い調査(製薬会社の思惑や医師の考えかたなどは反映しにくい調査)であろうと思います。また、同時に他の調査や動物での実験結果も発表されています。調査の結果については左記のアドレスに詳しく掲載されています。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/12/s1225-7.html(厚生労働省のホームページ)
結果はどうだったのですか
全年齢ではタミフルを飲んだ場合の異常行動(興奮や幻視を含む)は1割程度、タミフルを飲まなかった場合の異常行動は2割程度ありました。つまり飲まなかった方が異常行動がでやすい、という結果となっています。ただし、十歳以上では差が少なくなり、よくわからないというものでした。
また、昨年の3月以降には十歳以上、二十歳未満ではタミフルの処方が原則できなくなったもののこの年齢での異常行動の報告数は減少していませんでした。(タミフルを飲んでないにもかかわらず異常行動はおこっているということ)
どうすればいいのでしょうか
つまり異常行動の最大の原因はどうもインフルエンザ自体のようです、しかしながらタミフルをはじめとするインフルエンザ治療薬がそれを増強している可能性はまだ残されています。結局のところ治療薬を飲んで治療するか、自然軽快をまつかは医者と保護者の相談のうえで決定するしかありません。またどちらにしろインフルエンザに罹ると異常行動はありえるので次のようなことに注意して下さい。
1 異常行動での死亡例は鍵があけれるような年令が高い子であるので、例えタミフルを飲んでいなくてもこの年令の行動には注意してください。
2 興奮や異常な言動がある場合は、飲んでいれば薬を一旦中止をして医療機関を受診してください。
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