こどもの事故について
子どもは大人が予想もしない行動をとることがあり事故をひきおこします。今回はこどもの事故と乳幼児突然死症候群についてお話します。
誤飲・誤嚥
子どもは予期せぬものを口に入れ飲み込んでしまいます。
たばこ
たばこを食べてしまった場合、少しの量(2センチ)以下であれば様子をみていただいてまず大丈夫ですが、2センチ以上食べてしまったり、食べた量が不明な場合やたばこを浸した水溶液(灰皿など)を飲んだ場合は必ず医療機関を受診して下さい。詳しくは、たばこ誤飲専用電話072-726-9922(24時間、無料)にお電話いただければ自動音声応答にて情報を聞くことができます。
ボタン電池
ボタン電池はすぐには問題をおこしませんが、長時間体内にとどまると問題ですので医療機関を受診しましょう。
灯油など
揮発性の液体はほんの少しの量でも体に影響を与えるので必ず受診させて下さい。
その他
釘などの固形物の場合、せき込み(飲み込んだものが気管に入り込んでしまうとせき込む=誤嚥)がなければほとんどが腸管に影響のないまま便からでてきますが、飲んだ類似の物をもって受診した方がいいでしょう。またお薬を多量に飲んでしまったという問い合わせもも多いのですが、薬剤によって対応が異なるので、必ず薬剤がわかるようにして受診して下さい。
お風呂場
子どもの事故において溺れた、という割合は多いものです。普通、溺れた、というのは海や川を思い浮かべますが、自宅での風呂場での事故が多く報告されています。幼児がおられる家庭では風呂場で一人では遊ばせないようにし、風呂以外の時は鍵をかけるようにしましょう。消防ではお風呂の水は火災に備え残しておきましょう、と指導をされることもあるのですが、幼児がおられる家庭では風呂水は必ず抜くようにして下さい。
肘内障
子どもの手を強くひっぱった後に上肢をだらりとして動かさなくなることがあり、肘内障と呼ばれます。3歳前後の幼児によくおこり、肘の関節が亜脱臼することによって起こります。小児科で治療(整復)することもあるのですが、基本的には整形外科の先生に診ていただきましょう。
チャイルドシート
子どもの事故で大きな割合を占めるのが交通事故です。保護者のかたがどれだけ気をつけられていても事故を受けてしまうこともよくあることです。ひとたび事故に会うと、その衝撃は子どもの方が強く受けることもしばしばです。子どもはなかなか車の座席で静かには座ってくれないものですが、この6月から後部座席の方についてもシートベルトの着用が義務付けられます。シートベルトは習慣です。小さな時からシートベルトの着用を習慣づけてあげて下さい。
やけど
どんなに小さなやけどでも流水で最低30分は冷やして下さい。広い範囲の場合はその後(顔色が悪ければ
冷やしながら)皮膚科(小児科でも多少の処置は可)を受診して下さい。なお服を着ている部位であれば
服を脱がせようとせず服の上から冷やすようにしましょう。
SIDS(乳幼児突然死症候群)
乳幼児突然死症候群というのは、寝る前は元気で病気の兆候もないのに、気づいた時には亡くなっている
という大変かわいそうな病気で日本では年間200人以上の子どもがこれで命をおとしています。原因は
不明で、亡くなった後にいくら他の病気を探してもみあたりません。窒息などの事故ではありません。
ただし、以下のことをすると危険性は少なくなるので(絶対おこらないわけではない)実践して下さい。
1 仰向けで寝かせる(=うつ伏せ寝はだめ)
2 子どもの周りで喫煙しない
3 できるだけ母乳で育てる
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