毎年秋から冬にかけてRSウイルスが流行しますが、本年も和歌山でRSウイルスによる細気管支炎が多くなってきました。またインフルエンザも去年同様大阪では早い時期から検出されてきているようです。今回はこの二つについてお話します。

RSウイルス感染症について
RSウイルスは主に秋から冬にかけて流行し、咳や鼻などの風邪症状を引き起こすウイルスです。
何が問題なの?
成人や年長児にもうつりますが重症化せず、通常の風邪程度で軽快します。しかし3歳未満、特に1歳未満の乳児が罹るとゼイゼイや咳がひどくなります。呼吸困難となり、睡眠や食事ができなくなります。特に呼吸器や心臓に病気をお持ちの方は重症化しやすいので注意して下さい。
検査は?
医師がRSウイルス感染症を疑った場合は、鼻汁を使って検査をすることが可能です。検査結果は十五分程度で判定が可能です。
治療は?
RSウイルスに直接効くお薬はありませんが呼吸困難が強い場合は吸入や酸素投与、食事や哺乳ができない場合は点滴で水分を補充する必要があります。そのため1歳未満では入院となる場合も多くみられます。
予防は?
保育所などの感染状況を確認し手洗いとうがいを励行しましょう。園で流行し、かつ1歳未満児の場合は特に配慮する必要があります。
予防接種があると聞いたことがあるのだけれど?
早産児(予定日より相当日数早く生まれた赤ちゃん)や心臓や肺に重い病気をお持ちのお子様に対しては重症化を予防する注射(シナジスという)を接種することが可能です。これらのお子様はRSウイルスに感染すると非常に重症化するからであり、産科や新生児科(小児科)から接種を勧められれば必ず接種するようにしましょう。

インフルエンザウイルス感染症について
十月末現在、大阪(堺や泉南)ではインフルエンザが散発しています。和歌山ではまだ流行はしていませんが、大阪の患者数は増加しており和歌山でも早い時期の流行が考えられます。以下のことに気をつけて下さい。
流行状況を把握しておきましょう。
インフルエンザから身を守るには流行状況を把握することが大切です。流行状況については学校や幼稚園・保育所でこまめに確かめるようにしましょう。
予防接種を早くしましょう。
インフルエンザの予防接種は接種してから2週間程度たってから効果が出始めます。予防接種したからといって必ず防げるものではありませんが、接種を希望されてる方は早く接種を済ませるようにしましょう。
ウイルスを寄せ付けないようにし、体調や環境を整えましょう。
手洗いとうがいを励行し人込みを避けるようにしましょう、マスクも有効です。また睡眠時間を多くし、緑黄色野菜(βカロチン)や果物(ビタミンC)を多く摂取すると感染に対して強くなります。室内を加湿器などを使って適度な湿度に保つこともウイルスの増殖を抑えるために有効です。
インフルエンザにかかったかな、と思ったら
インフルエンザかな、と思った場合、医療機関では検査をすることによって十五分程度で確定診断をすることができます。ただ、熱が出始めてから十二時間から二十四時間程度の時間が立たないと検査は正確ではありません。もし熱以外の症状が強くないのであれば半日程度待ってから受診していただくほうが検査としては確実です。熱以外の症状(咳や頭痛や嘔吐など)が強い場合は早めに受診してください。

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