インフルエンザウイルスの流行状況について
今年の感染状況は例年と異なる点があるため注意しなければならない点がでてきました。
以下の点に注意してください。

現在の流行状況はどうですか。
和歌山県では十一月初旬ごろからインフルエンザ感染症が出現しはじめ十二月中旬頃から和歌山県全体に広がっており和歌山市でも市内全域で流行を認めています。

どんな型が流行していますか。
毎年流行するインフルエンザには大きくわけて3つの型があります。A型ソ連、A型香港とB型です。毎年これらのうち1つないし2つの型が時期をずらしながら流行していく、というのが普通のパターンです。ところが本年は3つの型が混在して流行しています。昔は型によって症状や経過の違いや診察所見の違いを指摘したのですが、現在では型によって大きな違いは指摘できなくなってきています。重症度についても違いは少ないとお考え下さい。

型の検査はどうされているのですか。
現在、一般の医療機関で判断できるのはA型かB型かであり、ソ連か香港かは診断できません。(報道で言われているのは特殊な検査を行った場合であり、医療機関では検査できません)

型によって治療は異なりますか。
現在使用されているインフルエンザの薬はタミフルとリレンザの2種ですが両方ともA型にもB型にも効果があるとされています。近年タミフルがA型ソ連に効かない、と報道されています。(タミフルの使いすぎによって出現したのではなくウイルスの性格の変化によって発生してきたようです)この耐性ウイルスに効果があるとされるリレンザは吸い込む薬で子どもではなかなかうまく吸い込むことができずA型(ソ連が含まれる)と判断した場合にもタミフルを処方していますが実際にタミフルの効果が薄く重症化する症例は少ないようです。

何度も罹るのですか。
A型ソ連に罹った人が、A型香港やB型に罹るなど、1つの型に罹っても他の型に罹ることはあります。すなわち1シーズンに最大3回インフルエンザに罹る場合があります。今年は3つの型が同時に流行しているため注意が必要です。ただし1回罹ると罹っていない人よりはうつりにくくなり、2度以上罹る人は1割程度とされています。

ワクチンはあっていたのですか。
ワクチンにはA型ソ連、A型香港、B型とすべての型が含まれています。最終的効果はシーズンが終わってから評価されます。

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