新型インフルエンザと日本脳炎ワクチンについて

新型インフルエンザについて
新型インフルエンザの感染は日本においては落ち着いてきました。今の状況と今後について現時点でわかっていることについてお書きします。
現時点(6月中旬現在)どうなの?
和歌山市でも5月末に新型インフルエンザが確認されました。しかしながら罹った方はアメリカへ渡航されていた方で、感染経路ははっきりしています。また、その後和歌山市では発熱外来にて1日あたり百人以上、総計千五百人程度の発熱患者様(ほとんどが小児)に対し検査をおこなったものの新型インフルエンザに罹った人を見つけることはできませんでした。これらの事実から、完全とは言えませんが現時点では感染地域に行かれてない方が新型インフルエンザに罹っていることは、和歌山市では、ほぼない、と6月末現在は判断しています。よって感染地域に行かれていない発熱患者様に関しては新型インフルエンザの可能性は、ほぼなく検査を行う必要もありません。

感染地域への渡航歴や滞在歴などがあり、発熱などインフルエンザかな、と思われる症状があった場合は直接来院
せず、まず左記の発熱相談にお電話下さい。
 和歌山市発熱相談センター 
   電話  073-433-2280  24時間対応
   メール w-inf-soudan@city.wakayama.lg.jp

今後はどうなるの?
新型インフルエンザは今が冬である南半球(オーストラリアやチリなど)では非常に流行しています。この事実から日本では秋から冬にかけて流行することはほぼ確実であると言われています。また現時点では確認されていないものの変異をおこし毒性が変わる場合もあります。
診療(ワクチンを含む)はどうなっていくの?
テレビや新聞でいろんな報道がされていますが、実際はわからないことが多いのが現状です。ワクチンについても製造されることは決定しているものの、実際製造してみないとどれくらいの数のワクチンが製造できるのか、どんな副作用がでるのか、など不明な部分は多いのです。

日本脳炎ワクチンについて
6月から新しい(組織培養法による)ワクチンが接種できるようになりました。
ただし、依然国の方針は、積極的に接種を勧奨はしない、というものです。つまり新しいワクチンについても、通常の生活ならお勧めしません、ということなのです。新しいワクチンゆえ、どのような副反応がでるのかわからないという理由からなのですが、従来からあったワクチンも現在接種可能なため大変複雑な状況になっています。下記にまとめておきますので参考にして下さい。

1期(6カ月から7歳半まで、初期2回、1年後1回、計3回)
   新しいワクチン 接種可能 公費負担=無料 承諾書なし(口頭での説明必要)
   従来のワクチン 接種可能 公費負担=無料 承諾書必要
2期(9歳から13歳未満 1回接種のみ)
   新しいワクチン 接種可能 自己負担=有料 承諾書なし(口頭での説明必要)
   従来のワクチン 接種可能 公費負担=無料 承諾書必要

日本脳炎ワクチンが中止になってから4年が経過しているため、日本脳炎に罹る可能性も高まっており、接種を勧められる医師や施設もあるかとは存じます。ただし国の方針をご理解いただいた上で最終的には保護者の判断にて接種されるか、どうかを決定いただければ幸いです。
なお当院では、新しいワクチンおよび従来のワクチンの両方を6月末現在では接種可能です。

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