予防接種の変更
2005年から2006年にかけて予防接種がいろいろ変更されました。このごろの予防接種に対する国の施策の変更は唐突であり、実際に接種をおこなっている医師にも迅速に情報が伝わっていないという矛盾もありますが現時点で変更された点やわかっている変更点についてお話します。

BCG
2005年4月1日からBCG接種の改定がおこなわれました、以前はツベルクリン反応を行った後4歳未満まで接種が可能でしたが、ツベルクリン反応は廃止され6ヵ月未満にBCG接種は限定されました、いままで4歳未満であったのに比べると接種期間が大変短くなっています。和歌山市では4ヵ月検診と同時に接種が行われますが、なんらかの理由でその時に接種できなかった場合、時間的余裕は少ないため早期に保健所で相談しておかなくてはなりません。なぜこのような改定が行われたか、というと1歳未満にBCGで予防すべき結核の発症が多いためでできるだけ早期の接種が有効と判断されたためです、しかしながら6ヵ月を越える子どもにBCGが必要ないかと言う議論は明確にされておらず、6ヵ月以後の接種は各市町村や主治医の判断にまかされており、何らかの理由で6ヵ月までに接種できなかった場合は保健所や小児科医に相談していただき決定していただくこととなります。なお小学校や中学校のツベルクリンやBCGについては2年前から中止になっています。

日本脳炎
2005年5月30日、新聞報道でいきなり現時点での推奨を取りやめ(国として勧めない)と発表され混乱をまねきました。(保健所ですら事前の連絡なかったそうです)現在の製剤の副反応が強くでる可能性があるとのことで、強く希望する場合や海外渡航にかぎり接種することとなりました。ただし、その強い副反応がでる確率は100万人に1人より低いものであり、自然に日本脳炎に感染してしまう可能性もある、というもののため2006年8月現在も今後どうしていくかは不明です。予想されているのは新しい製剤が開発されるので、その製剤の発売をまって接種を再開するというものです。(2008年3月現在も新しい製剤は作られていない)

麻疹と風疹
2006年6月2日から麻疹と風疹の予防接種が変更されています、麻疹と風疹の混合ワクチンが開発され接種可能となり2回接種することになりました。1回目は1歳時に、2回目は就学時前にこの予防接種を受けることとなります。就学前の方(来年小学生のかた)は原則全員接種することになります。ただし、注意しなくてはいけないのは、いままで麻疹および風疹の予防接種は7歳6ヵ月までは可能でしたが、一回目の接種が2才未満になっていることです。もう一度、母子手帳を確認されることをお勧めします。

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